1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. コラム
  4. 2025年 クラウドPACS vs オンプレミスPACS:どちらを選ぶべきか?

2025年 クラウドPACS vs オンプレミスPACS:どちらを選ぶべきか?

公開日:2025/03/23

はじめに

医療画像管理システム(PACS)は、病院やクリニックにおける重要な技術です。近年、「クラウドPACS」がその初期費用の安さや手軽さを理由に人気を集めています。一方で、「オンプレミスPACS」には長期的な安定性やセキュリティ面での強みがあります。本記事では、日本市場におけるPACS導入時のコスト構造を徹底比較し、最適な選択肢を見つけるヒントをお届けします。

クラウドPACSの特徴と課題

初期費用と利用コスト

「クラウドPACS」は、初期費用が100万~200万円と比較的低く、月額料金は1TBあたり5万円からスタートします。この手軽さが多くの病院やクリニックに支持されている理由です。

データ容量の課金構造

一方で、「クラウドPACS」ではデータ容量に応じた従量課金が発生する点が課題です。たとえば、1年で1TBのデータを使用するクリニックでは、2年目には2TBに増加し月額費用が10万円、7年後には月額費用が35万円に達する可能性があります。

オンプレミスPACSの利点とコスト

初期費用と月額費用

「オンプレミスPACS」は、初期費用が300万~500万円と高めですが、月額コストは2万円程度で安定しています。データ量が増えても追加料金が発生しない点が最大の利点です。

セキュリティと柔軟性

  • セキュリティ性: 自社内でデータを管理でき、クラウド型に比べセキュリティリスクが低い。
  • 柔軟性: 病院やクリニックのニーズに応じたカスタマイズが可能。

医用データ量と長期的なコストの比較

クラウドPACSの費用増加

1TBのデータ量を使用する場合、以下のように毎年の費用が増加します。

  • 1年後: 月額5万円(年間60万円)
  • 7年後: 月額35万円(年間420万円)

累計費用は、初期費用を含め1320万~1420万円に達する見込みです。

オンプレミスPACSのコスト安定性

「オンプレミスPACS」では、月額費用が2万円に抑えられるため、7年間の累計費用は約444万~668万円に収まります。

コスト比較シミュレーション

時間経過クラウドPACS コストオンプレミス型PACS コスト
初期費用100万~200万円300万~500万円
月額コスト(1TB 使用時)5万円2万円(維持管理費用のみ)
1年後60万円(5万円×12か月、1TB使用)24万円(2万円×12か月)
7年後420万円(35万円×12か月、計7TB使用)168万円(2万円×84か月)
累計費用初期費用+年間コスト合計 = 1320万~1420万円初期費用+年間コスト合計 = 444万~668万円

まとめ

PACS導入において、「クラウドPACS」と「オンプレミスPACS」にはそれぞれメリットと課題があります。短期的な導入コストを抑えたい場合はクラウドPACSが魅力的ですが、長期的な安定性とコストパフォーマンスを重視する場合はオンプレミスPACSが優位です。医療施設の規模やデータ増加ペースに基づいて、病院やクリニックにとって最適な選択肢を見極めましょう。